ブラインドデートの首尾は大成功!
いきなり先方のおうちにあがりこんで・・・
と書くのも恥ずかしい。というか失礼極まりないお話。
実は、お友達のつてで、さるピアノの先生を紹介してもらい、相談半分体験レッスン半分という趣旨で一時間という貴重なお時間をいただいたのでした。
オフィスから一時間弱、めったに乗らない私鉄でめったに下りない駅で、商店街を通り過ぎ、住宅街の中を地図を見ながらお宅の玄関までたどりつく。これだけでも、新鮮な体験です。
清潔感あふれるあったかいお部屋には、グランドピアノが一台とデジピが一台。最初は、これまでの取組とか、今の状況とかをいろいろ相談、というかほとんど愚痴話をがまん強くきいていただきました。要点は
①今のレッスンは、先生はとてもいい先生で大変満足しているものの、30分はいかにも短く不完全燃焼気味。
②時間制約もあり、自宅にあるのはデジピ
③テクニック面や体の使い方といった観点からのレッスンに興味あり。そろそろ速いパッセージの曲なんかを弾いてみたいので・・・
①については、そうですよね、たった30分じゃねと同情(するしかないか)。
②については、え~っと腰を抜かさんばかりにびっくりされてました。そんなんでピアノやってますって言えるのか?とまで言いたげな勢い。
③については、じゃちょっと見てみましょう。
ということで、ハノンの一番のパッセージを弾いてみてください。ということになり、
手をピアノに恐る恐る近づけると
「あら、いい骨格してますねぇ。うらやましいです。」
と言われ、そんなこと言われたこともないのでドギマギ。
で、弾き始めるや否や・・・
「力がはいりまくってます。そんな弾き方しているうちには速弾きは絶対しないでください。絶対指こわしますよ。」と厳しいアドバイス。ひぃ~っ。
所詮は、自宅デジピ組、なんだかんだ言っても、こんな程度か・・・
で、しばらく脱力という観点で、いろいろご指導。僕の方は、もうへこみまくって、気もそぞろ。これまでの5年間は何だったんだと落ち込みつつ。しばし脱力がいかに大事かということを懇々と諭され、ますます小さくなる僕。
ご指導が一段落したところで、何か一曲をと考え、(何かもくそもありません。今練習している唯一の)ラフマを覚えている半分まで弾いてみました。もう脱力の話で頭一杯ですから、弾くのも恐る恐る。んなもんで音がかすれたり、それを調整しようと思うと逆にガツンと入ったり、ひどいもんでした。
先生のコメントは・・・?
笑いながら「あら、すごい綺麗に弾けるんですね。さっきと別人みたい。」と、先生の表情も明るくなったような、安心されたような。
で、左手の伴奏の流れ、フォルテの処理といった、適確なアドバイスが続いた後、いきなり「連弾もいい練習になるんですよ。」と本棚から楽譜を取り出されて・・・
「じゃ、これやりましょう。ベートーヴェンの交響曲7番第一楽章。はい、じゃそっち座って。プリモね。」
いきなりほとんど
インテンポで連弾開始。さすがに両手ではついていけず、途中から右手のみ、それでも途中でギブアップ。
「じゃ、これは?」と間髪を入れずにアイネ・クライネ・ナハト・ムジークの第一楽章。こっちは少し弾きやすく、片手になったり、気を取り直して途中からがんばって左手を時折入れてみたりして、一応最後まで弾いた。(というより弾かされた。)
「じゃ、これは?」とベートーヴェンの交響曲5番第一楽章。
最初のお話の中で、僕は楽譜読むのは好きですと豪語した割にはひどいもんでしたが、それより何より、弾きなおしたり、よたったりしても、先生はちゃんとセコを弾きながらあわせてくれるんですよね、僕が何を言わなくとも。あえて言うならお釈迦様の掌で強がっている孫悟空のような気分でしょうか。
で気がついたら一時間を15分も超過。初対面&体験レッスンとは思えないほど充実した時間をすごす事が出来て、お礼を申し上げるうちに、いろいろな作曲家の話とか楽譜の話とか、発表会の話とか、またまた話が盛り上がり、あ、だめだ、止まらない。自制心がなかったら、きっと明け方まで話し続けてしまう自信あり。
ごめんなさい、こういうの迷惑な珍客って言うんですよね、常識的には。
さて、満足しきった帰路、悩ましいのは・・・
・今までのレッスンと同時並行でいくか、こちらに切り替えるか?
・同時並行でいくとしても、そもそも時間的に可能かどうか?
・それより何より見てもらえるべき曲が用意できるのか?
ということで、このあたりの見極めをつけてから結論を出すことにしました。
N先生、ありがとうございました。
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