BLOG「プランタンのクラシック・ピアノ挑戦」

大人になって再開したピアノ、こんなに「はまる」とは・・・

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ロンドン&フランクフルト出張(12月7日~13日)その2

いよいよ本題のフランクフルトオペラ。
ホテルからは歩いて20分くらい。
18:45について、劇場内を見学・・・といってもSHOPもなければ(おみやげ買おうと思ったのに・・・)、これといって特徴もない、単なるコンサートホール、あまりオペラハウスという感慨はありません。前から三番目の席に着くと、おお!確かにど真ん中。指揮者の位置は、もう目の前数メートルです。後ろを振り返れば、壮観な劇場内の座席が・・・

20081211

さて、今か今かと待っていたら、一人の女性が舞台にあがって何かを説明し始めた。ド、ドイツ語じゃわからないじゃないかっ(怒)。説明が終わったら会場から気の抜けたまばらな拍手。要領を得ないまま、ぽかんとしているうちに指揮者が登場して序曲が始まりました。最初ちょっと16分音符がそろわずにノリの悪さが気になりましたが、段々と調子があがってモーツァルトの世界へどんどん惹きこまれます。ただし、ティンパニーのロールがダララララ~というより、何となくドコドコドコって聴こえます。どうしちゃったの?という感じで、これまた気になりましたが、これについては後で解説。

序曲が終わって幕が上がると、びっくりするほどシンプルな舞台。(もちろん下の写真は演奏が終わってからとりました)

20081211(004)

古典芸能として当時そのままの演出で再現するのではなく、現代におきかえて演奏するいわゆる「新解釈もの」オペラってありますよね。物議をかもしたとか、新しい可能性を開いたとかよく評論に出ていますが、個人的にはそういうのを見るのは初めてです。舞台は、こんな感じ。(フランクフルトオペラのサイトから拝借しました。)

operfran

なかなかスタイリッシュでしょ?ストーリーは、他愛もないとも言えるし、スキャンダラスとも言える。もともとあまり演奏されなかったオペラですが、最近とみに注目を浴びてきているとのこと。二組の恋人の男性同士がふとした拍子で、扮装した上でそれぞれの互いの相手を誘惑したら、本当にその気にさせちゃった?もともとは「そんなこと、俺のフィアンセに限ってあり得ない」と信じた上でのいたずらだったのに、と男どもが嘆くこと、嘆くこと、結局女性なんてそんなもの=Cossi fan tutteということで大団円(何が?)を迎えるというストーリー。

そんなこんなで劇が始まりましたが、なぜか舞台の左袖に譜面台と女性の歌い手さんが・・・一体何事かといぶかっていたら、何とドラベラ役の女性が「口パク」、彼女の演技にあわせて、左袖の歌手が歌います。(北京オリンピックかと思いました。)

ははぁ~ん、最初の説明はこれのことかな。歌手の調子が悪いので口パクでやりますとか何とか。

ちょっと残念なことには、歌はもちろんイタリア語、字幕は・・・な、なんとドイツ語。いくらシンプルなストーリーとは言え、おそらくは軽妙な会話(会場からたびたびもれる含み笑いとか爆笑とかがうらやましくもあり)のはずですが、これがわからん。

それは無理としても、当意即妙のかけひき、心理描写、「新解釈もの」にしたために、却ってそういった部分が際立ち、ものすごいスリリングです。しかし、すごいものを作ってくれたもんだ、モーツァルト!

レシタティーボでそこはかと聴こえるのは、チェンバロではなく、明らかにフォルテピアノの音ではないか!初めて生で聴いた。

と息つく暇もなく第一幕が終わり。早速劇場の人に最初の口上のわけを訊くと・・・

現在当オペラではオーケストラのメンバーが賃上げを要求しており、二週間前にストライキを敢行、当日は何とピアノ伴奏のみでオペラをやったと。今日のところは、演奏するが、またいつストライキに入るかわからない・・・てなことを言っていたらしい。じゃ今日はすごくラッキーだったわけだ。でも賃上げ要求わかるぞ。料金2倍にしたって喜んで観に行きますっ!(いくらなんでもこの演出、オーケストラの音、歌い手の力量を考えれば安すぎです)

じゃ、口パクは何だったの?
いや、それはたまにあることで(たまにでも、あってはいけないと思うんだけど)、歌手の喉の調子が悪かっただけなんじゃないのきっと。ということでした。普通は代役が全て入れ替わるもんだと思っていましたが、今日の演出のように演技にかなりのテンポ・技量を要求される内容だと、こういうこともあるんでしょうか??

というわけで、これは休憩時間中に撮影したフォルテピアノ。

20081211(002)

きれいでしょ。思わずオーケストラピットに降りていって、弾いてしまいました。
幻想曲K475とピアノソナタK457ってうわー嘘です。嘘です。ただの妄想。

ついでに気になったティンパニーを見ると、

20081211(003)

きっと、これも古楽器なんでしょうね。ちょっとしょぼい控えめな容姿から察するに。

さて、第二幕も、迸るモーツァルトの魔術にくらくら状態。
フィナーレで鳴り響く、どーってことはないありふれたメロディ、ミーミ、ファーファ、レーレ、ドーの何ときらびやかに聴こえることか。未だに耳について離れず、気がつくとこればっかり口ずさんでます。

それにしても凄かった。原作自体がよいのは当たり前でしょうが、きっと演出の力もあってこその出来。たとえば女性にやりこめられて、男性がモゴモゴと噛んでしまうシーンがあるのですが、このモゴモゴで、苦し紛れに出てきたパッセージが、なぜか「夜の女王」のアリア!蚊の鳴くような情けない声で・・・これがまた爆笑ものです。会話がわからなくとも、これだけは回りにあわせて僕も大声で笑えた。

またこのオペラの凄さは、重唱にあるといっても良さそうです。心理描写が本当に巧みで、重唱でできることすべてのテクニックをモーツァルトはここで実現しているかのようです。

というわけでスリルとスピードに満ちたモダンなモーツァルトを堪能した4時間でした。

こんな話を、今回の出張の交渉先のドイツ人の社長に話したら、ナポリに行った時のナブッコは最高だった、屋外で演奏したんだけど、観に来てたイタリア人の観客が一斉に歌い出して、Just amazingだったと、夢見心地になって、ランチを食べに行った時、彼の運転で乗せてくれたベンツSクラスで、ナブッコを大音量で聴かせてくれて、すっかり意気投合した。
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